0.7.9x のリリースについて
3 月 1 日にバージョン 0.7.90.0 を公開しました。このリリースは、Alpha に将来追加する予定の機能をテストするための実験的なものです。大量のバグがあるだけでなく、テストを簡単にするために以前のバージョンから機能を大幅に削除しています
0.7.9x の通常目的の使用はお勧めしません。以下で詳細を説明します
はじめに
バージョン 0.7.5.16 をリリースした後、不足していた機能を追加しようと考えていました。しかし大幅な変更が必要だったため、少しの間(といっても、最後の修正パッチを公開してから半年以上経っていますが)リリースを中止し、新版の設計と実装を行いました。0.7.90 はその試験公開版です。大量のバグが含まれていますが、思い切ってリリースしました
0.7.90 には新機能の一部が含まれています。しかし利用できない既存の機能も多いため、以前のバージョンを置き換えるようなものではありません
今後はバグの修正と未実装の機能の追加を行います。安定してきたらバージョン 0.8 として正式に公開します
追加する予定の機能
0.7.9x で実装された、あるいは将来実装する予定の機能は以下のとおりです
行の折り返し
長すぎる行を自動的に折り返して表示する機能です。一般的なテキストエディタに搭載されている機能ですが、Alpha にはありませんでした。0.7.90 では最も単純な折り返し機能が実装されています。[表示] メニューの [ウィンドウの端で折り返す] を実行すると、ウィンドウ幅での折り返しが有効になります
固定文字数で折り返す機能は用意しません。処理が不可能な用字系が存在するためです
複数の強調表示規則の使用
例えば HTML ファイルを編集中に、埋め込みスクリプト部分だけ異なる強調表示をする機能です。今までは 1 つのファイルに適用できる規則群は 1 つだけでした(「文書タイプ」 と呼んでいました)
実際には強調表示だけではなく、補完機能やキー割り当てなどもコンテンツの種類ごとに定義するための機能です。この機能は 0.7.91.0 で実装しました
複雑な処理が必要な用字系のレンダリング
タイ文字やアラビア文字といった、適切に表示するための処理が複雑な用字系に対応します。バージョン 0.7.0 でタイ文字やヘブライ文字などの比較的簡単な用字系には対応していましたが、0.7.90 ではアラビア文字の筆記体結合形やほとんどの合字を表示できるようになります。また、右から左に読む言語で必要な、文書全体を右寄せで表示する機能も強化しています
用字系ごとに別のフォントを使うこともできるようになります。これらの機能は 0.7.90 に含まれています
0.7.93.0 で印刷機能を追加しました
Unicode テキスト処理の強化
Unicode 標準に規定されている正規化、テキスト境界の検出・検索、識別子パターン、照合をサポートします。主に検索機能に関連します。文字プロパティを使った正規表現検索も使用できます。0.7.90 では一部の機能が実装されています
新しいスクリプトシステムとオブジェクトモデル
Alpha は JScript や VBScript などのアクティブスクリプトを使ってカスタマイズできるようになっていますが、かなり限定的なものでした。新しいスクリプトシステムでは、異なるスクリプト言語で記述した複数のコンポーネントを組み合わせて動作させることができます。任意のタイミングでスクリプトを実行する機能も追加されます
また、より強力なオブジェクトモデルの提供も行います。これには GUI コンポーネント、論理スレッド、Unicode ライブラリへのアクセス、エディタのレンダリングの細かい制御などが含まれます
0.7.90 ではスクリプトシステムは削除されており、利用できません
[2009-2-16 追記] 異なる言語で云々...というのは今のところ予定ではなくなりました
0.7.90.0 で封印されている既存の機能
スクリプトシステムが動作しないので、以下の機能はすべて利用できません
- キー割り当て。Ctrl+O や Ctrl+F4 なども効きません。キー割り当ては標準の編集コントロールと同じにしてあります
- 強調表示
- 入力補完
- 起動時に何かする
- 終了時に何かする
文字を表示するのに使われるフォントが他のアプリケーションとは異なる場合があります。現時点ではフォントリンクが効かないので注意してください → [2009-2-16 追記] 最近のリリースではフォントリンクが有効になっています。ただし自動的に選択されるフォントは他のアプリケーションとは微妙に違うと思います